そろそろクリスマス商戦の時期だけれど、リーマンショックから大分経ったのというのに、未だに日本の消費は冷えたまんまのようだ。
雇用もボーナスも厳しいご時世、こぞって巣ごもり消費なのかもしれないが、厚い雲がたれ込めている冬の空みたいな空気の重さを感じる。
その消費について、10月の末、遅い夏休みをロンドンで過ごした時に感じた事を少し書こうと思う。
写真は、ロンドンのブローマーケット。オーガニック商品を取り扱うストールが多いので、地場産オーガニック豚のソーセージサンドを昼食として選択。ストールでお兄さんがその場で焼いて焼きタマネギと一緒にパンに挟んでくれて、確か4ポンドくらいだったと記憶している。ちなみに同じ価格でソーホーあたりで中華のバイキングが食べられたりするが、私があえてオーガニック豚サンドを選ぶ理由は何かというと、目の前で焼いてくれるライブ感シズル感もあるけれど、美味しくて安心なものには理由があることを知ってるからに他ならない。
ちなみに、ソーセージ1本で、と言ったのにサービスなのか2本挟んでくれて、相当なボリュームだったけど、ぺろっと平らげました。大変、良い豚でございました。
他方、日本では今年最安値ジーンズ合戦とも言うべき、価格競争が勃発したけれど、ロンドンも例にもれず安いファストファッションにたくさんの人が群がっていた。そのうちのひとつ、プライマークを覗いてみたが、ニットのブーツ8ポンド、カットソーが3~5ポンドくらいからと、果たして先の豚サンドと同じ国、同じ都市かと思うくらいの安さ。当然、バカ安商品は、アクリル100%やナイロン100%の合成素材で賃金の安いバングラディシュやインドで生産された物である。素材はともあれ、デザインが可愛くて安いから、お客さんの支持が集まるけれど、そこにばかり注目していいものだろうか、とふと考え込んだ。
商品は基本的に、価格相応、良いものは高い、ということをほとんどの消費者は理解している。だからこそ例えばオーガニック豚のソーセージにそれなりの金額を支払って満足する。
安い方へ安い方へと競うようにあらゆる商売が寄って行っているけれど、果たして消費者は本当にそればっか買っていていいんだろうか。やれ生活防衛術だ、消費者還元だというが、高いものには理由があるように、安さにも理由がある。国内で作るのをやめて、途上国で作って人件費を落としたり、大量発注によってコストを落としたり、場合によってはついで買いや話題づくりのために利益無しでやってることもあるかもしれない。低価格の恩恵は、巡り巡って労働者でもある消費者自身の首を締めてるんじゃないかと思う。
牛丼やお弁当などで300円を切る商品も出てきたが、一消費者としてはそこまでしなくてもいいよ、と言いそうになる。安くする事ばかりが、価値じゃないことを、そろそろ思い出さないと、冷えた消費はあたたまらないんじゃないかと思うのだが。
おまけ。絞り立ての草ジュース。草食動物の気分が味わえます。
豚、解体中。
Akiko Tanaka
Marketing Planner





